気をつけること

歯科断面図

インプラントがロスト(喪失)する原因はさまざまなものが考えられます。臨床上では、ロストは埋入直後(数日〜数週間以内)に起こってくる場合と、骨のオーバーヒート(ドリルで骨に穴を開ける際に発生する摩擦熱による骨の火傷)や埋入ポジションの問題、初期固定、感染などが原因として挙げられています。これに対して埋入後しばらく使っていてからロストする場合にもっとも多い原因が、インプラント周囲炎によるものです。このインプラント周囲炎というのは、インプラントに起こる歯周病のようなものです。インプラントは歯ではありませんから、歯周病ではなくインプラント周囲炎といいのですが、原因菌や進行は歯周病とほぼ同じであることが分かっています。

インプラント周囲炎にならないようにするためには、歯周病にならないようにすることと同じことをすればよいということになります。つまり、予防歯科における歯周病の実戦ということです。インプラントは歯がなくなってしまったところに、歯の代わりに埋め込むものです。大切なのは埋め込む前に、なぜ歯を失われてしまったか、その原因は何なのかを突き止め、排除することにあります。むし歯や歯周病の根本原因が放置されたまま、いくら高価な自費診療を行ったところで、長期的な安定は得られることはなく、それはインプラントにおいても同様です。むし歯や歯周病の原因を除去する予防歯科の考えがすべての治療において重要でインプラント治療にもあてはまります。